2021年07月29日(木)
いつもの [クリニック情報]
先日から、「鼻血のいつものやつしてください」
「鼻血の例のあれしてください」などといって来院されるお子さんが続いた。
なんのこっちゃと思われる方も多いと思うが、実はこれは「刺絡」といって、経絡の一番末梢のツボに針を刺して血液を少し絞り出す方法。
しょっちゅう鼻血を出すお子さんは結構多い。
そんな場合、もちろん西洋医学的な疾患が隠れていないか鑑別が必要。
しかし、血液の病気があれば、鼻血以外にも、手足に出血斑がでたりする。
また、ちゃんと止血しても鼻血がなかなかとまらない。
血液検査を必要とする場合もあるが、正常な場合は様子をみることになる。
漢方薬には、N黄連解毒湯、113三黄瀉心湯などもあるが、とっても苦い、また錠剤もあるがちょっと大きくて飲みにくい。
そんなときに少商の刺絡の出番。
少商というのは、手の太陰肺経の一番末梢のツボで、親指の爪床の外側にある。
針で刺すというとお子さんが怖がるので、微量採血用穿刺針を使用。
これは、針が見えないので、「鼻血のでない魔法のスタンプ」というとお子さんたちは手をだしてくれる。
そして、不思議なことに翌日から鼻血がピタッと止まってしまう。
少商のツボから数滴、血液をしぼりだすだけ。
実はこれにも根拠があった。
以前、学会で発表したときに、鍼灸の真理先生に色々教えてもらった。
そのスライドはこの二つ。
鼻血はのぼせだけでなく疲れもあるからでる。
少商の刺絡によって、肺経の経絡の流れがよくなり、のぼせもとれて、元気になる。
江戸時代後期 の三輪東朔先生は、 刺絡聞見録 の中で「実に奇なり、妙なるは刺絡の術なり。自ら施し、自ら驚き、神の如しとす。」 と記載している。
刺絡の翌日から鼻血が全くでなくなる。
ほんとに不思議で、まさに神の如し〜。
Posted by さかざきひろみ at 17時51分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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