2022年06月26日(日)
夜驚にも [漢方薬]
1歳の女の子。
咳と鼻水で受診された。
「お咳で、夜眠れなくなりますか?」とお聞きすると、
「咳では起きないのですが、保育園に入所してから夜8時30分ごろに寝ても、いつも2-3時間後に目がさめてパニックになったように泣いています。
それまでは、朝まで起きなかったのですが」と。
昼間は、とってもおりこうさんで、大人しい。
診察もちゃんとさせてくれる。
だけど、ちょっと緊張しているよう。
夜泣きがあるけれど、昼間はとっても大人しいおりこうさんには、72甘麦大棗湯がいい。
この子は、夕方に飲むことで、朝までぐっすり。
夜に泣かなくなったと。
しかも、漢方もちゃんと飲んでくれた。
寝てから2-3時間後は、深睡眠(ノンレム睡眠)の時期。
その時期に不完全な覚醒がおこると、錯乱状態になって、本人も覚えていない。
泣きわめいているときは、本人は半分眠っているので、パパやママのこともわからない。
誘因因子としては、環境の変化、日中の特別なイベント、発熱などがあるらしい。
治療は、経過観察のみで特に有効な薬はない。
しかし、毎日夜中に泣きわめき、本人も熟睡できないし、家族も大変。しかし、仕方がないと諦めて、医師に相談されない方も多い。
このお子さんの場合も、もし私が「夜は眠れていますか」とお聞きしなかったら、夜驚症のことを相談してくださらなかったかもしれない。
しかし、こんなときには漢方薬がとっても有効。
72甘麦大棗湯や54抑肝散、83抑肝散加陳皮半夏から選んで処方することが多い。
とくに、72甘麦大棗湯は、甘くてとても飲みやすい。
Posted by さかざきひろみ at 19時10分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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