2023年09月21日(木)
漢方薬にも [漢方薬]
西洋薬に比べて極めて少ないが、漢方薬にも副反応がある。
処方する側は、処方する薬にどんな生薬が含まれているか、知っておくことが大切。
とくに、麻黄、甘草、附子、大黄は量がふえると、より作用が増強される。
麻黄はドキドキ、甘草は浮腫んで血圧上昇。
附子もドキドキ、舌のしびれ、大黄は下痢。
あと大人の人は、黄芩による肝機能障害が多いらしい。
山梔子を含むものを5年以上飲むと、腸間膜静脈硬化症に注意しないといけない。
ストレスまみれのママたちに、加味逍遙散をよく処方するのだけど、山梔子が含まれているので長く飲む場合は要注意。
お子さんの場合は、副反応はもっと少なく、私もあまり経験がない。
先日の日本小児東洋医学会で、蘭子先生が、文献から小児の副作用報告について、まとめてくれて、とても勉強になった。
最近30年間に、0−18歳で71例の報告があった。
原因はほとんどが柴胡剤(柴苓湯16例、柴朴湯11例、小柴胡湯8例、六君子湯5例)。
薬剤性膀胱炎が33例と一番多い。
他には、肝機能障害、肺障害、腸間膜静脈硬化症、肥厚性幽門狭窄症、偽アルドステロン症。
すべての例で、薬を中止することによって回復している。
興味深かったのは、辛夷清肺湯によるアナフィラキシー。
辛夷清肺湯は枇杷葉を含む。
枇杷はバラ科の果実になるので、ハンノキ、シラカンバによる花粉症があると、アレルギーがおこる可能性があるので、それで起こった可能性がある。
食物アレルギーとして、甘麦大棗湯に含まれる小麦が問題となるが、それによるアレルギー症状はなかったよう。
とにかく、まれではあるが、漢方薬でも副反応がおこることがあるということを知っておくことが一番大切だと思う。
Posted by さかざきひろみ at 17時00分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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