さかざKIDSブログ

2023年09月26日(火)

オキシトシンとオレキシン [漢方薬]

日本小児東洋医学会での特別講演。
「漢方薬の抗不安、抗ストレス作用の作用機序〜加味帰脾湯を中心に〜」
昭和大学の砂川正隆先生のお話。
ストレス反応を調節するオキシトシンやオレキシンのお話。

オキシトシンは、抗ストレス作用、抗不安作用、社会行動促進作用がある。また幸せホルモン、愛情ホルモンともいわれている。

オキシトシンを自然に増やすためには、ハグなどのふれあい、見つめあい、感動する、思いやりの気持ちなどがある。

オキシトシンを薬として投与する場合は、現在、日本では注射剤のみが認可されており、陣痛誘発・分娩促進などに保険適用がある。

他には、自閉スペクトラム症の治療薬として、オキシトシン経鼻スプレーが候補にあがっていて、色々研究されている。
承認はまだされていないが、オキシトシンは、社会的コミュニケーションの障がいに関して効果があるとのこと。

漢方薬では、加味帰脾湯が、オキシトシンの分泌を増やす作用があり注目されている。
特に加味帰脾湯に含まれる大棗、当帰、生姜にその作用があるとのこと。

他にも当帰四逆加呉茱萸生姜湯や補中益気湯、当帰建中湯にもこの3つが含まれている。
ただ、この3つの漢方薬にオキシトシンを増やす作用があるかどうかはまだわかっていない。

さらに、ストレスには、それを誘発するオレキシンというのがある。オレキシンは摂食行動や睡眠や覚醒をコントロールする神経物質。

オレキシンが分泌されることにより脳内が覚醒状態となることより、オレキシンを抑制するベルソムラやデエビゴという薬が不眠症の治療薬として使用されている。

漢方薬で、このオレキシンを抑制するのが、抑肝散や加味逍遙散。
特に柴胡や蘇葉にその作用があるらしい。

抑肝散には、不安幻覚に関するセロトニン神経系を介する作用や攻撃興奮に関するグルタミン酸神経系を介する作用もある。

大昔に作られた漢方薬が、現在になってその作用が色々研究されているというのがとても興味深い。

Posted by さかざきひろみ at 19時47分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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