2023年01月15日(日)
桔梗! [漢方薬]
相変わらず漢方薬の品薄。
今週はとうとう109小柴胡湯加桔梗石膏が残りわずか。
再入荷もあったけど、少しだけ。
葛根湯も一時危なかったが、なんとかもちなおした。
109番がないと、困るという方が多い。
私も、109番がこの世からなくなったら、辛いかも。
のどの痛みに、めっちゃ効く。
鎮痛剤も痛みに有効だが、抗炎症作用はないか、あっても少ないものばかり。
ところが、109番は抗炎症作用が強い。
そのような作用のある西洋薬は、ステロイドぐらいだろうか。
さらに胃腸機能改善作用もあるし、人参が含まれているので、体を元気にしてくれる。
しかし、ないものはしかたない。
109番の代わりとして、桔梗湯や桔梗石膏がある。
109番に比べて、抗炎症作用はやや劣るけど、のどの痛みに有効。
ただ、これらも若干不足気味とのこと。
薬局で購入できるものとして、銀翹散(ぎんぎょうさん)や駆風解毒湯(くふうげどくとう)がある。これらはネットでも買えるがちょっと高いのが欠点。
この4つの薬の共通点はどれにも桔梗が含まれている。
桔梗というのは、お花の桔梗の根っこ。
抗炎症作用、排膿作用、さらに去痰作用もある。
とびひに有効な排膿散乃湯や十味敗毒湯にも含まれる。
銀翹散や駆風解毒湯にも荊芥、連翹という抗炎症作用のある生薬が含まれる。
銀翹散がいまいちで、経過が長引いたり、さらに炎症が強いときは駆風解毒湯。
ただ、このふたつはめっちゃまずい。
まさに良薬口に苦し。
これは、5つの漢方薬の生薬構成の比較表。
漢字とか難しいけど、参考になれば。
Posted by さかざきひろみ at 18時35分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2022年12月06日(火)
葛根湯医者 [漢方薬]
江戸時代の落語に「葛根湯医者」というのがある。
「おまえどうしたんだ? どっか悪いのか?」
「先生ね、あっしはあたまが痛くてしょうがないんですよ?」
「それは頭痛だ。葛根湯あげるから、それおあがり」
「あっしは、はらが痛いですよ」
「それは腹痛だ。葛根湯あげるから、おあがり」
「あっしは、あしが痛いんですよ。」
「それは足痛だ。葛根湯あげるから、おあがり」
「あっしは、兄貴が足が痛いって言うんで、一緒についてきたんですよ。」
「あー付き添いか。退屈だろう。葛根湯おあがり」
これは、どんな人にも葛根湯をだしてしまう藪医者の話のようにもみえる。たけど、葛根湯は非常に応用範囲が広く色々な症状にも有効という意味でもある。
付き添いの退屈な人には、葛根湯はさすがに効かないけど、
もしかして、冬で冷えていたら体は温まったかもしれない。
葛根湯に結構広い効能があるということは、昔からわかっていたよう。
1800年前のお薬が、今、新型コロナウイルス感染症の初期に使われて、すこし品薄になっている。
ほんとにおもしろい。
最後に風邪のときの葛根湯内服の注意点。
@飲む時期は
汗をかく前、寒気がして首筋から背中が凝るときが一番有効。この時期は、風邪のごく初期なので、風邪をひいたなかな、ぞくっとしたときになるので、あらかじめ葛根湯を常備したほうがよい。
A飲み方として、熱いお湯に溶いて、食前か食間に飲むのが一番効果的。さらにそこにショウガをすって入れると、とってもよい。だけど、そんなのめんどくさいということになれば、別に食後にそのまま飲んでも大丈夫。
B胃腸が弱くて、体力のない人は、飲まないほうがよい。
そんな人は、桂枝湯や麻黄附子細辛湯、または香蘇散。
C元気なお子さんは麻黄湯のほうが有効。
Posted by さかざきひろみ at 20時13分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2022年11月20日(日)
神戸にて [漢方薬]
今年ラストの講演は兵庫県保険医協会。
昨年4月にもお招きいただいて、今回2度目。
前回は、こども漢方がテーマ。
今回はママの漢方がテーマ。
ママ世代、20代〜50代ぐらまでの女子に対する漢方薬のお話。
時間は90分と結構長いので、超簡単漢方理論もお話した。
スライドは110枚。
予定では、時間余るはずだったのだが、、突然思いついたことを話したり、脱線したりしていたら、ちょうどになった。
90分は長いかなと思っていたが、いくらでも話せる。
ハイブリッドなので、リアルで聞いてくださっているかたもいて、とっても楽しかった。
今回の講演会の場所は、神戸元町。
少し早めについたのでメリケンパークにも行ってみた。
夕日がきれい。
久しぶりに海も見れた。
講演後に南京町に行ってみた。
西川先生が、案内してくださった。
お忙しいのにありがとうございました。
漢方のお店とか教えていただいて、クコの実を購入。
いい匂いが立ち込める。
こんなにかわいい豚まんもあるのね。
カラフルなお人形があちこちに。
やっと、今年の講演会はすべて終わった。
次は3月。
ひとつの講演が終わると、いつも脱力感。
「気」を精一杯こめてお話するから、一時的に「気虚」になるのかも。
少しだけ、ぼーっとして明日からまた頑張ろう!
Posted by さかざきひろみ at 19時48分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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