2023年02月28日(火)
9番小柴胡湯 [漢方製剤]
9番は小柴胡湯。
柴胡剤の代表選手。
メンタルよりもこじれた感染症に処方することが多い。
風邪が長引くと、熱が上がり下がりして、口が苦くなったり、舌が白くなったりする。
またむかむかして食欲が低下してくる。
そんなときが小柴胡湯の出番。
身体を守りながら、感染症と戦う攻める薬でもある。
柴胡と黄芩で熱を下げ、炎症をとって、半夏と生姜は吐き気をとめる。さらに人参大棗甘草は胃腸機能を守ってくれる。
保険適応病名がとても長くて、
体力中等度で上腹部が張って苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症 急性発熱疾患、肺炎、気管支炎、感冒、リンパ節炎、慢性胃腸障害、産後回復不全。
9番小柴胡湯よりも私は、109番小柴胡湯加桔梗石膏の方をよく処方する。
でも最近は品薄で処方できない…..。
あと、以前は肝炎によく使われていて、なんでもかんでも小柴胡湯を処方されていた時代があった。
その時に、この薬による間質性肺炎が問題になった。
ちゃんと体質をみて処方しないとよくないことが起こる。
今はインターフェロンと小柴胡湯の併用は禁忌とされている。
インターフェロンで免疫が落ちているような人には合わないということなのかもしれない。
漢方は、ちゃんと、その人個人を診て処方することが一番大切かと思う。
Posted by さかざきひろみ at 19時33分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2023年02月26日(日)
楽しい休日
今日はまた寒い。
朝から孫っぴをお迎えに。
大阪マラソンなので、交通規制が出る前に移動しないと大変。
私が大阪マラソンにでたのは、2017年11月。
もう5年以上前のこと。
めっちゃ楽しかったことを思い出す。
お天気がよいので、お庭のお手入れ。
途中から孫っぴとお花や葉っぱを集める。
葉っぱに顔をかいたり、お花を張り付けて工作。
途中から、千代紙でなぜかサンタクロースを製作。
爺が帰ってきてからは、二人でゲーム。
お家にいると運動不足なので、おやつのあとは、公園のはしご。
いっぱい走ったね。
元気やけどちょっと風邪気味。
「お鼻でるからかんぷー飲む」
A葛根湯加川芎辛夷をチョイス。
彼いわく「2番は美味しい」とのこと。
スプーンで粉をそのまま飲んでいた。
ママが横からとろうとしたら、「だめー」と独り占め。
あっという間に1包を完食。
小さいときから漢方飲んでいるから、美味しく感じる??
Posted by さかざきひろみ at 19時16分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2023年02月25日(土)
同じと異なる [漢方薬]
漢方の概念に「同病異治(どうびょういち)」と「異病同治(いびょうどうち)」という言葉がある。
「同病異治」というのは、読んで字のごとく、
同じ病名でも、個人の体質によって別の漢方薬を使って治療すること。
例えば、胃もたれでも、体力があって、冷えがない人、どちらかというと食べ過ぎで症状がある人には、M半夏瀉心湯。
一方、体力がなく、体が冷えていて、食欲も低下している人には㊸六君子湯になる。他にも喉もつかえているひとには、116茯苓飲合半夏厚朴湯などもある。
また、風邪でも処方は異なる。
体力のある人は@葛根湯、弱っている人には㊺桂枝湯、冷えがあるひとには127麻黄附子細辛湯。
さらに、胃腸がとっても弱い人には、70香蘇散。
不安神経症でも、136加味帰脾湯だったり、O半夏厚朴湯、K柴胡加竜骨牡蛎湯、㉖桂枝加竜骨牡蛎湯、72甘麦大棗湯だったり、処方はたくさんある。
症状だけでは漢方薬の処方は決められない。
ある人が漢方薬がよく効いたからといって、別の人が同じ処方で治るとは限らない。
「異病同治」というのは、病気が異なる場合でも同じ漢方薬が処方されること。
例えば、I柴胡桂枝湯は風邪の亜急性期によく処方する。
しかし、筋緊張性頭痛、自律神経失調症、反復性感染症の予防にも処方することがある。
㊸六君子湯は胃もたれの薬だけど、冷えにもよいし、むくみもとって体も元気になる。またうつ症状に良い場合もある。
西洋薬の胃薬は、胃薬としての作用だけで、心を元気にしたりはしない。
漢方薬は病名ではなく、その人の体質や症状によって処方が決まる。
処方の決定には、虚実、寒熱、、気血水、五臓の概念、六病位などの概念が必要になってくる。
以前は、とっつきにくくて、これが大嫌いだった。
しかし、勉強してみると奥が深くてなかなか面白い。
漢方薬には、まだまだ未知の部分がたくさんある。
日々勉強あるのみ。
まごっぴもお勉強??
Posted by さかざきひろみ at 19時32分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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