2023年12月05日(火)

35番 四逆散 [漢方製剤]

しぎゃくさんと読む。

四逆というのは、四肢厥逆(ししけつぎゃく)という文字を短くしたもの。
ストレスが強すぎて、気がめぐらずに、手足が冷えて逆に上半身が熱く逆上しているという状態。
それを治すのが四逆散。

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構成生薬は4つだけ。

柴胡は抗ストレス作用。
芍薬+甘草で、緊張を緩める。
枳実は、ストレスによって動かなくなった胃腸を動かすという消化管の蠕動(ぜんどう)運動 を改善する作用。

イメージとしては、ストレスが身体の中にたまりすぎて、手汗があり手足は冷たくなっている。だけど、頭の中はかっかしてイライラしている人。
受験生とか、大人だと中間管理職の人とか。

効能効果としては、
神経質、ヒステリー、胃炎、胆嚢炎、胆石、胃酸過多、胃潰瘍、鼻カタル、気管支炎。

おなかの所見が特徴的で、竹の字型といわれている。
両側の季肋部に抵抗(胸脇苦満)があり、腹直筋が緊張している。

ストレスをうちにひめて、色々な精神症状が出る、胃痛や腹痛が強い場合に有効な、とても良い薬。だけど、味がかなりまずいのが少し残念。

そして、今週は、講演が2本。
12/7(木)は、Dr.'s Prime Academia.
12/10(日)は、蘭子ちゃんとのコラボ.

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今年はこれで最後。
あとは、1月の講演の資料作成。

Posted by さかざきひろみ at 19時59分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年12月03日(日)

マイコプラズマ感染症

現在中国や韓国で大流行しているマイコプラズマ感染症。

過去には2011年(このときは愛子さまも罹患)、2015年、2019年に流行。なぜかマイコプラズマは4年に1回流行する。
典型的なマイコプラズマは頑固な咳。
とにかく咳がひどい。

マイコプラズマとは?
ウイルスと細菌の中間の性質と大きさを持つ病原体で、肺炎、気管支炎などおこすが上気道炎症状のみのお子さんもいる
感染経路 
@咳・くしゃみなどの飛沫感染
A病原体がついた手で目や口、鼻などを触ることによる接触感染
潜伏期間 2〜3週間。他の感染症に比べて長いのが特徴。
症状
長く続くひどい咳(はじめ乾燥した咳→痰がらみの湿ったしつこい咳)外来で待っている間もとにかくずーっと咳がとまらない。昼間はほとんど咳はなく、朝夕だけというのはおそらくマイコプラズマではない。
また、咳は発熱から遅れて始まることも多い。
発熱
大きいお子さんでは熱もなく元気で、咳だけが続いていることもある。乳幼児はかかっても肺炎にならずにカゼで終わることが多く、 年長児の方が肺炎になりやすい傾向にある。
マイコプラズマになって、肺炎になるのは、全体の3-5%ともいわれている。
発疹がでることもある。
診断
レントゲン撮影で特徴的な肺炎像があり、上記のような症状があれば推測できる。
迅速診断できる方法(イムノカード・マイコプラズマ抗体)もあって、クリニックでは主にこれを使用している。しかし、感度が低く偽陰性にでることもあるので、注意が必要。また、のどの奥を綿棒でゴシゴシするので、お子さんにとっては、辛い検査。本当に必要な場合だけに検査をするべきと思う。ただ、総合病院では、特殊な遺伝子検査機器があって、確定診断できている。現在は、それで見つかるケースが多いという。
治療
以前はマクロライド系が第一選択であったが、耐性の場合もある。今中国で流行しているのは耐性が多いらしい。
しかしだからといって、軽症例にミノマイシンやオゼックスなどのニューキノロン系を安易に使ってしまうと、さらに多剤耐性のマイコプラズマになる可能性があるので注意が必要。また、ミノマイシンは9才未満の小さいお子さんは歯が黄色くなったりするので、使えない。
また、病原体に対する体の免疫反応が強く出てステロイドが必要な場合もある。
自然治癒例もあるのでお薬は慎重に選びたい。

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お家のハナミズキとイロハモミジがやっと紅葉。

Posted by さかざきひろみ at 17時23分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年12月02日(土)

中国における肺炎流行

あっという間に師走。
今年もあと1カ月。

中国で気になるニュース。
子どもたちの間で肺炎が大流行。

ニュースやSNSでの画像をみると、新型コロナの再来かと思われる混雑ぶり。

700人待ちとか、24時間待ちとか。
ちょっとありえないような状況。

原因としては、マイコプラズマ、RSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス。
その中でもマイコプラズマが多いとのこと。
WHOによると、未知のウイルスは検出されていない。

日本でも、今年はRSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなどの呼吸器の感染症が大流行した。
他にも、ライノウイルスやパラインフルエンザウイルス。どれも咳がひどくなる。
今のところ、まだ日本で流行していないのは、マイコプラズマだけ。

3年前、中国の新型コロナウイルスを他人ごとのように思っていたが、その後大変ことになった。
実際、マイコプラズマ感染症は4年に1回流行する。
前回は4年前の2023年秋から冬にかけて。
マイコプラズマで学級閉鎖になったりしていた。

中国までとはいかないまでも、マイコプラズマの大流行が日本でも起こる可能性は十分にある。

今日の夕方ラン。
大阪市内だけど、紅葉がきれい。

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パパの大好きな鴨さんがいっぱい。
冬のランは空気が澄んでいて心地よい。
今日は6kmだけ。
このぐらいが身体に負担なく一番よい。

Posted by さかざきひろみ at 20時36分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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