2023年12月23日(土)
麻疹が.....
東京都内で3例も麻しん発生のニュース。
VPDのメーリングリストで回ってきた(詳しくはこちら)。
1歳(ワクチン未接種)、5歳(ワクチンを1回接種)、50歳(ワクチン不明)。
3人とも海外渡航歴はなく、国内で感染されたよう。
コロナ禍の影響で、ワクチン接種率が減って、世界中で麻疹の発生が増えている。
これから、年末年始で海外に行く人も増えるし、日本国内でも人の移動が増える。海外からの旅行者も多い。
今後、麻疹が流行する可能性が十分にある。
麻疹は、子どもの感染症の中でも最も恐ろしい。
感染力も合併症の恐ろしさも新型コロナの比ではない。
また、発症したら治療法もない。
私は、麻疹脳炎で寝たきりになった2歳のお子さん、
麻疹肺炎で、呼吸不全になった1歳のお子さん。
麻疹にかかって、10年以上たってから発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の小学生を経験した。
とてもとても恐ろしい感染症だけど、ワクチンで予防できる。
1歳でまだの方はすぐに、年長さんで、2回目がまだの場合もすぐに接種をお勧めしたい。
Posted by さかざきひろみ at 19時46分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2023年12月21日(木)
寒い! [漢方薬]
今日は、今年一番の冷え込み。
ちょっと前まで、20℃のときもあったので、よけい寒さを感じる。
冷えは大敵。
気血水のめぐりが悪くなり、体調不良や免疫も低下し風邪をひきやすくなってしまう。
冷えてるときは、首(手首、足首、頸部)を温める。
身体を温めるものを食べる。甘いものやジュースを身体を冷やす。
そして早く寝る。
ちなみは、私は夜寝るときは、レッグウォーマーはかかせない。ないとなぜか熟睡できない。
以上のような養生をしたうえで漢方薬。
漢方薬は身体を温める処方がたくさん。
手先足先の冷えが強く、しもやけになる。寒さで頭痛や腰痛、関節痛などの痛みがでる。
→㊳当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
色白で華奢、めまいたちくらみ、むくみ、月経トラブルあり。→㉓当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
当帰芍薬散タイプで手足はほてる、唇がかわく,皮膚が乾燥しやすい。→106温経湯(うんけいとう)
下肢はひえるが顔がほてる。→㉕桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
下肢がひえるが顔がほてる。イライラ、ストレスが多い。→㉔加味逍遙散(かみしょうようさん)
加齢で足腰が冷える。夜間に頻尿。→F八味地黄丸または107牛車腎気丸
そして、私が寒いときに飲むのは、127麻黄附子細辛湯+㊺桂枝湯。
127麻黄附子細辛湯は、麻黄と附子と細辛で構成されていて、どれも身体を温める。附子で体の芯を温めて、麻黄と細辛で体の表面も温める。とってもぽかぽか。
すぐに身体を温めたいときにおすすめ。
他にも冷えには漢方薬がたくさん。
さらに、上記の薬でもいまいちのときは、附子を少しずつ追加できる。附子は強力に温めるし、また痛み止めでもある。
寒くても、お花に水やり。
まごっぴがお手伝い。
Posted by さかざきひろみ at 17時25分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2023年12月19日(火)
36番木防已湯 [漢方製剤]
もくぼういとうと読む。
木防已は、日本では防已と同じなので、この名前がついている。
小児科領域では、あまり出番がなく私もお子さんには処方したことがない。
構成生薬は4つで甘草が入っていない。
それで、循環器領域でも使いやすい。
石膏は抗炎症作用と利水作用、防已も利水作用がある。
ある有名な先生は、防已は利尿作用、石膏はβブロッカー的鎮静作用、桂皮が血管拡張作用、人参が強心薬とたとえられている。
心不全には、もちろん西洋薬が一番。
だけど、たくさん処方しているけど、いまいちなとき漢方薬の併用もよいかもしれない。
実際に、主人の患者さんで心臓疾患の方が漢方を希望されて、
「木防已湯がいいんちゃう」とアドバイスしたことがあった。
その方は、「木防已湯を飲むととてもすっきりして、効いている感じがする」と、とても喜ばれたことがある。
利尿効果を高めるときは、五苓散を併用。
強心作用+利尿作用を高めるときには、附子を配合することもあるそう。
循環器領域では、出番がありそう。
Posted by さかざきひろみ at 20時12分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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