2023年12月26日(火)
新しく
12月20日の厚労省の会議で、5種混合ワクチンと15価小児肺炎球菌ワクチンが、来年4月から定期接種になることが決まった。
5種混合ワクチンというのは、今ある4種混合ワクチン(百日咳、破傷風、ジフテリア、不活化ポリオ)にヒブワクチンが新に加わったもの。
製品名はクイントバックまたはゴービック。
なんとなく、ゴービックのネーミングの方がわかりやすい。
今、生後2カ月からのワクチンがこれで、5種類から4種類に。注射は、4本から3本に減る。
1本減るだけで、私たちも患者さんも少し楽になるね。
実際外国では、6種混合(5種混合+B型肝炎)というのもあるけれど、それは承認されていない。
また、小児肺炎球菌ワクチンは今は13種類が入っているプレベナーが定期接種だが、15種類入っているバクニュバンズというワクチンがあり、これも来年4月から定期接種になるそう。今の13価小児肺炎球菌ワクチンに、22Fと33Fも加わって、よりパワーアップする。
麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)も、MMRV(麻疹、おたふくかぜ、風疹、水痘)ワクチンが承認されたら、もっといいのにと思うのだが、まだまだかな。
他にも、妊婦さん向けのRSワクチン「アブリスボ筋注用」が11/28に承認された。
すでに高齢者用のRSワクチンは9月に承認されている。
このワクチンは、妊娠24週〜36週の妊婦に1回接種する。
RSウイルスが重症化するのは、新生児。
赤ちゃんに直接ワクチンを接種しても免疫系が未熟なので、その効果は期待できない。
それで、妊婦さんに接種すると、ワクチンによりできた抗体が、母体から胎児に移行して、新生児や乳児のRSV感染症の重症化が予防できる。
あともうひとつ、承認申請中なのは、「ニルセビマブ」
これは、ワクチンではなく、RSウイルスに対するモノクローナル抗体の薬。
現在、日本では、シナジスという注射を、重症化リスクのあるお子さんたちに接種している。ただ、有効期間が短いので、毎月接種しないといけない。
「ニルセビマブ」は、出生時または出生直後に接種すると、血液に直接RSウイルス抗体が送りこまれる。その結果、ウイルスを中和して増殖を防げる。しかも有効期間が長いので、1回接種だけでよい。
もしこれらが、定期接種になったら、小さい赤ちゃんたちがRSウイルスで重症化することもなくなる。
Posted by さかざきひろみ at 20時19分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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