2022年03月15日(火)

こどものオミクロン株の症状

日本小児科学会から、
「データベースを用いた国内発症小児 Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) 症例の 臨床経過に関する検討」、
簡単にいうと、小児の新型コロナウイルスの症状について掲載された。

対象は2020年2/1〜2022年2/20の間に登録された小児コロナ患者さん5129例。
症状を以下の3つの期間について検討
@流行初期(2020/2月〜7月)
Aデルタ株流行期(2021/8月から12月)
Bオミクロン流行期(2022年1月〜2/20)

発熱
 @流行初期 41%
 Aデルタ株流行期 58.7%
 Bオミクロン流行期 80.6%
咽頭痛
 @8.6% A13.1% B26.1%
味覚障害
 @4.1% A3.9% B0.7%
倦怠感
 @5.5% A6% B11.2%
頭痛
 @7% A9.9% B19.8%
熱性痙攣
 @0.6% A0.9% B4.1%
悪心嘔吐
 @4.2% A5.6% B9.9%

オミクロンは他と比べて発熱しやすく、咽頭痛、頭痛、倦怠感、嘔吐が多い傾向。
特に咽頭痛は12-15歳の57%。
また、熱性けいれんも他の流行期に比べて多くなっている。
一方、味覚・嗅覚障害はとても少ない。

実際に、咽頭痛を訴えるお子さんさんが多く、さらに嘔吐などの消化器症状もよくみられるように思う。

ただ、今回の調査に登録された症例は、入院施設のある総合病院からの報告であり、国内の小児の症例の0.5%に過ぎないため、もっと軽症の患者さんも多数存在すると推定されるとのこと。

さらに、
比較的重症度が高い症例が登録されている可能性が想定されるにもかかわらず、オミクロン株を含む変異株の流行による小児患者の重症化傾向は確認されなかった
と記載されている。

コロナ禍になって2年。
色々なことがわかってきた。
今後も様々なことが検討されて、新しいフェーズになっていく。

画像(240x180)

Posted by さかざきひろみ at 20時18分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2022年03月13日(日)

外来状況 [クリニック情報]

先週あたりから、どんどんコロナが下火に。
熱がでても陽性になるお子さんがとても減った。

中学や高校も春休みになった。
無事に受験が終わったほっとされている。
これから、小学校や幼稚園も春休みに。

でも、やはり散発例はあるので、感染対策はしっかりしないといけない。

私が防護服、N95マスク、フェイスシールド、帽子で隔離室にあらわれるので、「誰??」と言う感じになってしまう。
泣き出すお子さんに、
「ケーキ屋さん」と説明してくれるママもいる。
そんな話をしていたら、「給食のおばさんって言われるより、ずっといいですよ」

お着換えすることなく、以前のように戻れたらといつも思う。

しかし、今後どうなるかはまだまだ油断できない。
それにしても着たり脱いだりも随分慣れた。

さらに、週末にかけて花粉症症状で来院される方がたくさん。
ほんとに皆さん、同じ時期に症状が悪化する。
週末は、とっても暖かくさらにスギ花粉が飛散しているはず。

症状がひどいお子さんは、抗アレルギー薬、点眼薬、点鼻薬、漢方薬を総動員して、治療している。

ただ、やはり舌下免疫をしているお子さんはとっても楽そう。
この時期になると、舌下免疫の有効性を実感される。

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これは、爺作。
ちょっと、いたずらを考えている顔かな。

Posted by さかざきひろみ at 19時25分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2022年03月12日(土)

どきどきにも漢方 [漢方薬]

心臓に病気がなくても、不安になるとドキドキ動悸がすることがある。
動悸がすると内科に受診されて、どこも悪くない。
24時間心電図や心エコーなど検査しても正常。
それで、精神安定剤など処方されることもあるらしい。
「どこも悪くないって言われるんですが、なんかドキドキして不安で.....」
そんな相談をうけることもある。

こんなときに、活躍するのが、竜骨(りゅうこつ)と牡蛎(ぼれい)を含む漢方薬。
竜骨は大型哺乳類の骨。
牡蛎は牡蠣の貝殻。
このふたつの組合わせは、不安をとって動悸をおさえてくれる作用がある。

この両方を含むのは
K柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいいとう)
㉖桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

どう違うのかは、

K柴胡加竜骨牡蛎湯は体力があって、どちらかというと元気。ストレスにたちむかって頑張って負けそうで負けない。だから色々精神症状がでてしまう。交感神経過緊張状態。エネルギッシュにイライラしている状態。   

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㉖桂枝竜骨牡蛎湯は虚弱タイプ。ストレスに負けてしまって、気力もなくなっている。気分が沈んで元気がない状態。

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外来では、K柴胡加竜骨牡蛎湯を処方する方が多い。
これは錠剤もあるので、粉薬が飲めない場合でもOK。
動悸とか不安は、この二つだけでなく他にもたくさんの漢方薬がある。
私が処方したことがあるのは、137加味帰脾湯、72甘麦大棗湯、64炙甘草湯など。
あと、漢方薬だけではなかなか難しい。
質の良い睡眠、バランスのとれた食事、適度な運動はどんなときも大切。

Posted by さかざきひろみ at 20時17分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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