2022年07月26日(火)

前頭前野

小児科の色々な学会では、ネット・ゲーム依存や睡眠の問題がよくとりあげられている。
今は、ネット・ゲーム依存や睡眠障害のお子さんがとても増えている。

先日の日本小児科医会フォーラムでも話題になっていた。
ここでも、大脳の「前頭前野」のお話しがあった。

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前頭前野は、
「考える」「記憶する」
「行動や感情をコントロールする」
「コミュニケーション」
「判断する」「集中する」
「やる気をだす」
など、高いレベルの精神機能の調整を行っている。

人にとって重要な働きを担っているため、人が人らしくあるためにもっとも必要な存在で意識の最高中枢でもある。
この前頭前野の機能低下で、やる気のなさ、思考力、判断力の低下、興味、関心の減退がおこる。
またここは扁桃体が過剰に活動するのを抑えてくれている。

いっぽう扁桃体は、恐怖・不安・悲しみなどの情動に関わる領域で、扁桃体が過剰になると、悲しみや抑うつ・不安・焦燥・感情失禁、キレやすいと言う症状がでてくる。

幼児期にしっかり前頭前野の発達を促しておくことがとても大切。ネット・ゲーム依存症になりにくいとのこと。

前頭前野を発達させるための日常生活は、
1)早寝、早起きに努めて、十分に朝の光をあびて生活リズムを整える。
阪大の毛利先生も良質な睡眠で前頭前野は育つと話されていた。睡眠不足だと、扁桃体が活性化してしまう。
2)長時間のテレビ視聴、ゲーム遊びは控える
3)起きているときに、活発な運動、特にリズミカルな筋肉運動を行う。
このリズミカルな筋肉運動で一番簡単なのは、しっかり食事を噛むことになる。

とても簡単なことなので、是非小さいお子さんたちのいるご家庭で心がけてほしい。

それとやはり親子でのルール作りも大切。
1)ゲームやスマホ購入前に必ずルールを作る。
  上限時間や終了時間は親子間で契約する。
  子どもだけでなく保護者もルールを守る。
2)使用場所を決める。
   子供部屋での使用は避けて、リビングや家族の目の届くところで使用。
   充電器は親が預かり、充電するときはリビングか親の部屋で行う。

ゲーム依存になってしまうお子さんと、Eスポーツで活躍するお子さんはどう違うのだろうと思っていたが、もしかしてEスポーツのお子さんたちは、小さいころから前頭前野が十分に育成されているのかもしれない。

今は、スマホやゲームが当たり前になっている。それに支配されるのではなく、上手に使えるようになることが重要。

Posted by さかざきひろみ at 19時57分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2022年07月24日(日)

サル痘

WHOからサル痘の緊急事態宣言は発令された。
何だか、あまり気にしてなかったウイルスなので、ちょっと驚いた。

これまでに75の国と地域で、16000人余りの感染者が確認されていて、5人が亡くなっている。
先月は3000人だったのが、急に増えていて、よくわかってない点も多く今回の緊急事態宣言にいたったらしい。

「サル痘」は天然痘ウイルスに似た「サル痘ウイルス」に感染して発症する。

潜伏期間は7-14日で、発熱、頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛などから1-5日続き、そのあと発疹がでる。
発疹は 水疱状で、うみがでてかさぶたとなる。

感染経路は、ネズミやリスなど感染した動物にかまれたり、血液、体液、発疹に触れることで感染する。
また感染した人の、発疹や体液、かさぶたなどに接触したり、飛沫を浴びても感染が起こる。

しかし、今回は、男性どおしでの性的な接触で感染したケースが多いらしい。

診断については、発生地域への渡航歴、海外から輸入したペットの飼育歴、性交渉歴を確認して、疑われた場合に水疱の内容液やカサブタを用いてPCR検査をする方法があるが、クリニックレベルでは難しい。

かつて接種が行われていた天然痘ワクチンで、約85%の発症予防効果があるとされている。日本では最後に接種が行われていたのは1976年で、その時に子どもだった、40代後半以上の世代は接種していて免疫がある可能性がある。

アメリカやカナダ、イギリスでは感染対策として、天然痘ワクチンの接種がはじまっているらしい。

治療薬としては、天然痘の治療薬である「テコビリマット」と言う飲み薬が、ヨーロッパでは承認されている。

今のところ、まだ日本でサル痘の患者さんは報告されていない。しかし、韓国やシンガポール、タイ、台湾でも感染者がでており、いずれ日本でも発生するかもしれない。

ワクチンや治療薬があり、感染力が強くないので、新型コロナウイルスをは比較にならないかもしれないが、こういう病気があることを知っておく必要があると思う。

Posted by さかざきひろみ at 19時43分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2022年07月23日(土)

新しい

第7波コロナ対策

1)濃厚接触者の待機期間の短縮。
  発表されてからいつから適応されるのかと思っていたが、
実は22日から適応される。

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読売新聞オンラインより

新基準は、感染者と最後に接触した日の翌日を「1日目」として原則5日間。
7/22日に濃厚接触者になったかたは、発症しなければ7/27まで待機となる。

抗原定性検査により2,3日目に連続で陰性なら3日目で解除できる。
この検査は原則自費検査で、薬事承認されたものを用いることとなっている。

ただし、7日間が経過するまでは、検温など自身による健康状態の確認し、高齢者や基礎疾患のある方など重症化リスクのある方との接触はさけることも必要。

2)発熱外来での検査キットの無料配布。
重症化リスクの低い人は陽性でも、自宅療養をして受診を控えてもらう。

これについては、まだよくわからない。
発熱外来をしている医療機関はどこも抗原キットが少ない。
だれを対象にどんなふうに配るのかもまだ明らかではない。
今後、自治体から詳しく説明があるだろう。

3)4回目のワクチン接種の対象を医療従事者や高齢者施設の職員らに広げる。秋以降には、オミクロン株対応のワクチンの5回目接種の予定。


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Posted by さかざきひろみ at 20時28分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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