2023年02月21日(火)

8番大柴胡湯(だいさいことう) [漢方製剤]

8−12番は柴胡剤という同じグループ。

G大柴胡湯H小柴胡湯I柴胡桂枝湯J柴胡桂枝乾姜湯K柴胡加竜骨牡蛎湯
柴胡と黄芩が含まれているものを広義の柴胡剤と呼ぶ。

柴胡は肝に働く。
肝は西洋医学の肝臓とは違って、東洋医学では、精神の安定や自律神経の調節を行うところ。また気の流れの調節もする。ここがやられると、感情面のトラブルで、怒りっぽくなり、イライラ、不眠などの精神症状がでる。

G大柴胡湯は、柴胡剤の中で一番体力のある人むけ。
イメージとしては、がっちり筋肉質で、便秘でストレスがあってカッカしている感じ。

OTCのビスラットゴールドは大柴胡湯のこと。

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大柴胡湯は、ストレスでイライラする気持ちを落ち着け、内臓の炎症を抑え、「気」のめぐりをよくしてくれる働きがある。便秘解消や代謝の促進の効果もあるので、ダイエットにもつながるとも言われているがこれだけでは痩せられない。

柴胡剤は、お腹に胸脇苦満(きょうきょうくまん)という所見がでるという特徴がある。

これは、季肋部あたりに抵抗感がある、みぞおちから胸脇にかけてはって苦しいことをいう。
ストレスがあるとき、または感染症が長引いたときにでやすい。体力のある人のほうが,はっきり胸脇苦満がでる。

ただ大柴胡湯には大黄という下剤がはっているので、注意が必要となる。
ちなみにコタローさんというメーカーには、大柴胡湯去大黄という大黄をぬいた処方もある。

Posted by さかざきひろみ at 19時44分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年02月14日(火)

腎の衰えは7番 [漢方製剤]

7番は八味地黄丸(はちみじおうがん)。
CMなどで、さかんに宣伝されているので、ご存じの方も多いかも。

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これは、腎が衰えた時(腎虚)のくすり。
他にも、87六味丸、107牛車腎気丸がある。

腎というのは、西洋医学の腎臓と違って、
東洋医学では、成長・生殖・老化など生命力、水分代謝機能を司るところ。
ここが衰えると、老化現象 夜間頻尿 腰痛 手足のしびれやほてりが起こってくる。

すなわち、簡単にいうと、年をとって衰えてきた色々なトラブルに対する薬。
どちらかというと高齢者の男性、イメージとして、弱った男性と男性機能。
弱った女性に処方されることも多い。
ただ、必ずしも高齢者だけということでもなく、若い人でも腎のエネルギーが衰えると処方される場合もあるとのこと。

小腹不仁というのは、臍から下の下腹部における筋肉が低下しており、押すと簡単にへこみを生じること。
高齢者の方に結構見られることが多い。

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構成生薬は8つ。
地黄+山茱萸+山楽は、補気強壮薬。腎を補って元気にする。
沢瀉と茯苓は水のバランスを整える。
牡丹皮は血のめぐりをよくする。
桂皮と附子は体を温める。附子は最強の温薬。
したがって、冷えている人の薬となる。

八味地黄丸=六味丸+桂皮+附子。
牛車腎気丸=八味地黄丸+牛膝+車前子。

腎虚があっても冷えてない人は六味丸。
ちなみに、牛車腎気丸は、腎虚でむくみがあって、体の節々が痛いとき。

私があまり処方しない薬だが、こうやってまとめると勉強になる。

Posted by さかざきひろみ at 20時24分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年02月07日(火)

6番十味敗毒湯 [漢方製剤]

じゅうみはいどくとうと読む。
10種類の構成生薬からなるので十味といい、皮膚の化膿の毒を敗退させるという意味で敗毒という。
なんか、いかにも効きそうなネーミング。

これは江戸時代に華岡青洲先生が考えたものを、後に浅田宗伯先生がアレンジしてできたもの。
日本人がつくった日本人向けのお薬。

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桔梗、柴胡など有名なものも含まれるが、樸樕(ぼくそく)とか独活(どっかつ)とかは珍しい。
ちなみに、樸樕が入っているものは89治打撲一方。
独活は他にはない。
荊芥(けいがい)に、非常に強いアクアポリン 3 の発現亢進作用があって、肌にうるおいを与える。

荊芥+防風は発汗して体の表面の熱を追い出す。
柴胡はその下にこもった熱を下げるイメージ

化膿傾向のある湿疹に有効で皮膚科向けのお薬。
これも錠剤がある。
大きなお子さんたちは錠剤を希望されるので、ニキビによく処方している。

化膿といえば122排膿散乃湯もあるが、炎症がより強く、範囲が広く、浸出液が多いものには122番の方がよいと思う。また、122番は構成生薬が6個で少ないので、即効性もある。

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あとメーカーで違いがある。
ツムラさんは樸樕だが、クラシエさんは代わりに桜皮(オウヒ)。
樸樕がクヌギの樹皮なのに対し、桜皮はヤマザクラの樹皮。
どちらも解毒作用に優れ、湿疹やじんましんの治療に使われる。
ただ、美容皮膚科の先生たちがこの桜皮に注目している。
桜皮はエストロゲン分泌作用があり、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸も増加させ、ニキビの発生やニキビ跡・毛穴の開きなどの悩みも改善するそう。
特に女性にニキビにとても有効とのこと。

そういえば、悩めるニキビに錠剤の十味敗毒湯を飲んでいる女子が多い。

Posted by さかざきひろみ at 17時46分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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