2023年02月25日(土)

同じと異なる [漢方薬]

漢方の概念に「同病異治(どうびょういち)」と「異病同治(いびょうどうち)」という言葉がある。

「同病異治」というのは、読んで字のごとく、
同じ病名でも、個人の体質によって別の漢方薬を使って治療すること。

例えば、胃もたれでも、体力があって、冷えがない人、どちらかというと食べ過ぎで症状がある人には、M半夏瀉心湯。
一方、体力がなく、体が冷えていて、食欲も低下している人には㊸六君子湯になる。他にも喉もつかえているひとには、116茯苓飲合半夏厚朴湯などもある。

また、風邪でも処方は異なる。
体力のある人は@葛根湯、弱っている人には㊺桂枝湯、冷えがあるひとには127麻黄附子細辛湯。
さらに、胃腸がとっても弱い人には、70香蘇散。

不安神経症でも、136加味帰脾湯だったり、O半夏厚朴湯、K柴胡加竜骨牡蛎湯、㉖桂枝加竜骨牡蛎湯、72甘麦大棗湯だったり、処方はたくさんある。

症状だけでは漢方薬の処方は決められない。
ある人が漢方薬がよく効いたからといって、別の人が同じ処方で治るとは限らない。

「異病同治」というのは、病気が異なる場合でも同じ漢方薬が処方されること。

例えば、I柴胡桂枝湯は風邪の亜急性期によく処方する。
しかし、筋緊張性頭痛、自律神経失調症、反復性感染症の予防にも処方することがある。

㊸六君子湯は胃もたれの薬だけど、冷えにもよいし、むくみもとって体も元気になる。またうつ症状に良い場合もある。
西洋薬の胃薬は、胃薬としての作用だけで、心を元気にしたりはしない。

漢方薬は病名ではなく、その人の体質や症状によって処方が決まる。
処方の決定には、虚実、寒熱、、気血水、五臓の概念、六病位などの概念が必要になってくる。
以前は、とっつきにくくて、これが大嫌いだった。
しかし、勉強してみると奥が深くてなかなか面白い。

漢方薬には、まだまだ未知の部分がたくさんある。
日々勉強あるのみ。
まごっぴもお勉強??

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Posted by さかざきひろみ at 19時32分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年02月23日(木)

ラン日和

今日は、暖かい。
まさにラン日和。
久しぶりに長居公園ラン。

ラン中もマスクをしている人がまだ多い。
私はどちらかというと日焼け予防にマスクは欠かせない。

春の兆しでいろんなお花が咲いている。

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梅は満開。
空や池の青にお花のピンク。

素敵な景色を見ながらのランはとっても心地よい。

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外来では、インフルエンザの勢いが落ちてきた。
このまま、終息するかも??
もともとコロナは少なかったが、さらに減少。
発熱のお子さんたちは、コロナも一緒に検査することが多いのだけど、もういらないのではと思ってしまう。

他にも、RSウイルスが流行している園があったり、溶連菌感染症だったり、ウイルス性胃腸炎がまた増えてきた。

感染症よりも、花粉症などのアレルギー症状が増えた。
スギ花粉が飛びだしているので、
「目がかゆい」「くしゃみがとまらない」
鼻水、皮膚がかゆいなどなど。
  
ひどくなってから来院されるより、症状がでたら早めにアレルギーのお薬や点眼、点鼻薬を使用したほうがよい。
あと漢方薬の併用も効果的。
ただ、R小青竜湯の粉、A葛根湯加川芎辛夷の錠剤などは品薄。2番の錠剤は内服している人が多かったので、とっても残念。

舌下免疫をしているお子さんたちの症状はとても軽い。
全くなにもない方もいる。
今ひどい症状の方には、「5月以降に始めようね」とアドバイス。

Posted by さかざきひろみ at 19時34分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年02月21日(火)

8番大柴胡湯(だいさいことう) [漢方製剤]

8−12番は柴胡剤という同じグループ。

G大柴胡湯H小柴胡湯I柴胡桂枝湯J柴胡桂枝乾姜湯K柴胡加竜骨牡蛎湯
柴胡と黄芩が含まれているものを広義の柴胡剤と呼ぶ。

柴胡は肝に働く。
肝は西洋医学の肝臓とは違って、東洋医学では、精神の安定や自律神経の調節を行うところ。また気の流れの調節もする。ここがやられると、感情面のトラブルで、怒りっぽくなり、イライラ、不眠などの精神症状がでる。

G大柴胡湯は、柴胡剤の中で一番体力のある人むけ。
イメージとしては、がっちり筋肉質で、便秘でストレスがあってカッカしている感じ。

OTCのビスラットゴールドは大柴胡湯のこと。

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大柴胡湯は、ストレスでイライラする気持ちを落ち着け、内臓の炎症を抑え、「気」のめぐりをよくしてくれる働きがある。便秘解消や代謝の促進の効果もあるので、ダイエットにもつながるとも言われているがこれだけでは痩せられない。

柴胡剤は、お腹に胸脇苦満(きょうきょうくまん)という所見がでるという特徴がある。

これは、季肋部あたりに抵抗感がある、みぞおちから胸脇にかけてはって苦しいことをいう。
ストレスがあるとき、または感染症が長引いたときにでやすい。体力のある人のほうが,はっきり胸脇苦満がでる。

ただ大柴胡湯には大黄という下剤がはっているので、注意が必要となる。
ちなみにコタローさんというメーカーには、大柴胡湯去大黄という大黄をぬいた処方もある。

Posted by さかざきひろみ at 19時44分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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