2023年02月16日(木)

カフェイン

8歳の子がエナジードリンクでカフェイン中毒。
その記事が日本小児科学会誌に掲載。

近所にある自動販売機で、エナジードリンク500mlを購入して、一気にすべて飲んで、その後嘔気が持続。
幸いなことに重篤な症状はなかった。
ちなみに、私はエナジードリンクなるものを知らなかった。

エナジードリンク500ml中にカフェイン210mg含まれる。
カナダ保健省によるとカフェイン摂取量に関しては、
MAXが4-6歳45mg/日、7-9歳62.5mg/日、10-12歳85mg/日までとのこと。

これによると、カフェイン摂取最大量の3倍を超えた量を飲んだことになる。
大人だと、カフェイン中毒の診断基準は250mg以上。

カフェインの過剰摂取による中毒症状は、
 吐き気、嘔吐、手足のしびれ
 動悸、悪寒
 意識消失
 さらに心肺停止に至ることもある。


実際に、2015年には、エナジードリンクを日常的に飲んでいた20代の男性がカフェイン中毒で死亡したという報告もある。

他の飲み物では、100gあたりコーヒー60mg、ウーロン茶20mg、玄米茶10mg、紅茶30mg。

コーヒーも毎日5−6杯も飲んでしまうとカフェイン依存になってしまうかもしれない。
また、エナジードリンクはジュース感覚で飲めて、普通に自販機で買うことができるので、特に注意が必要。

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Posted by さかざきひろみ at 20時01分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年02月14日(火)

腎の衰えは7番 [漢方製剤]

7番は八味地黄丸(はちみじおうがん)。
CMなどで、さかんに宣伝されているので、ご存じの方も多いかも。

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これは、腎が衰えた時(腎虚)のくすり。
他にも、87六味丸、107牛車腎気丸がある。

腎というのは、西洋医学の腎臓と違って、
東洋医学では、成長・生殖・老化など生命力、水分代謝機能を司るところ。
ここが衰えると、老化現象 夜間頻尿 腰痛 手足のしびれやほてりが起こってくる。

すなわち、簡単にいうと、年をとって衰えてきた色々なトラブルに対する薬。
どちらかというと高齢者の男性、イメージとして、弱った男性と男性機能。
弱った女性に処方されることも多い。
ただ、必ずしも高齢者だけということでもなく、若い人でも腎のエネルギーが衰えると処方される場合もあるとのこと。

小腹不仁というのは、臍から下の下腹部における筋肉が低下しており、押すと簡単にへこみを生じること。
高齢者の方に結構見られることが多い。

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構成生薬は8つ。
地黄+山茱萸+山楽は、補気強壮薬。腎を補って元気にする。
沢瀉と茯苓は水のバランスを整える。
牡丹皮は血のめぐりをよくする。
桂皮と附子は体を温める。附子は最強の温薬。
したがって、冷えている人の薬となる。

八味地黄丸=六味丸+桂皮+附子。
牛車腎気丸=八味地黄丸+牛膝+車前子。

腎虚があっても冷えてない人は六味丸。
ちなみに、牛車腎気丸は、腎虚でむくみがあって、体の節々が痛いとき。

私があまり処方しない薬だが、こうやってまとめると勉強になる。

Posted by さかざきひろみ at 20時24分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年02月12日(日)

思春期の月経トラブル

今年は小児専門医の更新。
5年に1回の更新が必要。
更新に気づいたのは、昨年末。
色々ポイントがあるのだけど、あと11ポイント足りない。
小児科学会の専門医セミナーを拝聴して、テストに合格したら、1ポイント。あと11時間か......。

でも、このセミナーはとても勉強になる。
昨日、拝聴したのは、「小児科医に伝えたい思春期婦人科疾患 」大阪市中央区のこうむら女性クリニックの甲村弘子先生。

思春期の月経異常について、以下の2つについて話された。
1)無月経
2)月経困難症

1)無月経
「まだ生理が来ないんですが」と外来でも時々相談される。
原発性無月経の定義は18歳だが、甲村先生は、15歳で月経が来ない場合は精査したほうがよいとのこと。
 月経があって、その後3カ月以上停止したものも要注意。
その原因はダイエットによる体重減少が結構多いらしい。
ほかにも、拒食症、運動性無月経、また多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などがある。

2)月経困難症
「生理痛がひどい」ということもよく相談される。
思春期の場合は、たいてい機能性月経困難でその機序として、
@子宮の収縮をおこすプロスタグランジンがたくさん分泌される。
A子宮や卵巣が未成熟
B冷え
Cストレス

器質的月経困難症としては、
子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などがあるが、これは思春期ではほとんどない。しかし、10代で子宮内膜症のこともあるらしい。

機能性月経困難症の治療は、
1)鎮痛薬
2)漢方薬
3)低用量エストロゲン・プロゲスチン配合錠(LEP製剤)

甲村先生は特にLEP製剤について詳しく話された。
これは、排卵を抑制して、子宮内膜の増殖を抑制し、経血量も減少、プロスタグランジン産生も減少させる。
それによって、月経痛の緩和、月経量の減少、貧血の改善、機能性子宮出血の改善、排卵痛の緩和、月経前症候群の症状緩和。また月経時期もコントロールできる。

日本人はピルはだめだ、怖いという考えがいまだにあるが、このLEP製剤は女性の生活改善の薬だといわれている。

また、10代に月経痛がひどいと、将来子宮内膜症になりやすいとのこと。月経痛を我慢するのではなく、ちゃんとコントロールしてあげたい。

私は、漢方薬や鎮痛剤処方はできるが、さすがにLEP製剤は処方したことがなく婦人科の先生にお願いしている。
ひどい月経痛がある場合は、婦人科の先生にもご相談したほうがよいかと思う。

ただ、LEP製剤の副反応を気にされている方も多い。
低用量になっているので、昔のピルに比べてかなり副反応は少ないとのこと。
それでも、消化器症状(嘔気、腹部膨満)、性器出血、帯下の増加、乳房痛、頭痛などもある。その症状が、漢方薬を併用することによって、よくなることもある。
どんな薬もそうだが、メリットとデメリットを考えて、本人にとってベストの方法を選びたい。

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Posted by さかざきひろみ at 19時30分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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