2023年05月11日(木)

16番 半夏厚朴湯 [漢方製剤]

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)といえば、喉のつまり。

色々な不定愁訴、うつうつ気分があって、のどの違和感、のどのところが詰まるという訴えに有効。

のどが詰まるということを、
梅核気(梅干しの種が、のどのところにある感じ)
ヒステリー球、
咽中炙臠(いんちゅうしゃれん:あぶった肉が喉に張り付く感じ)という。

半夏厚朴湯は、東洋医学でいう気うつのくすり。

気のながれが、のどにつまるとのどのつまり、
頭につまると頭痛、頭重感。
胸につまると、胸のつまり。
お腹につまると、お腹がはってげっぷがでたりする。

これらを改善してくれる。
また、錠剤もあるので便利。

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5つの生薬からできているが、
気の巡りをよくする生薬が4つも入っている。
また、半夏と茯苓と生姜の3つで、㉑小半夏茯苓湯になる。
これは、胃のつかえをとって吐き気をとめる作用があり、つわりの特効薬。

むかむか吐き気がして、のどが渇くときはP五苓散がよいが、のどが渇いてないときは㉑小半夏茯苓湯がいい。

さらに、半夏厚朴湯は咳や声がれにも有効。
メンタルにも風邪にも効くことになる。
咳チックや、咳払いにもよかったりする。

以前、咳と声が嗄れるけど、内科の薬をもらってもよくならないママに、半夏厚朴湯を処方した。
すると、長年の頭痛も一緒に治ったと、とても感謝された。
このママは気うつもあったのね。

漢方薬は、一つの症状だけでなく、他の困ったことを治してしまうことがあるので、面白い。

Posted by さかざきひろみ at 19時45分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年05月09日(火)

連休明けの外来は [クリニック情報]

何かがとても流行しているということはない。

今のところ、新型コロナやインフルエンザはゼロ。
RSウイルスが増えている園もあるそうだが、それほど大流行でもなさそう。
昨年のような大流行にならなければいいのだが。

熱が続き、喘鳴があるので、RSかなと考えて検査するけど陰性。
血液検査もそれほど悪くない。
これは、パラインフルエンザやライノウイルスかも。
RSでもそれ以外でも、ウイルス性疾患なので治療法は変わらない。

あと、今まで喘息と言われたことがないのに、咳がひどくゼーゼーいうお子さんが多い。

咳がある場合には、夜間眠れない、食欲がない、せき込んで嘔吐、元気がない場合は、登園せずに早めの受診をおすすめしたい。

他には、頭痛や腹痛などの体調不良を訴えるお子さんも増えてきた。
4月から新学期で環境の変化があり、GWで生活リズムが変わり、
いわゆる5月病かな。
5月は新生活の疲れやストレスが表面化しやすい。
ちなみに長野の池野先生はこれを春の女神症候群と呼んでいる。

どちらかというと、とっても真面目で几帳面なお子さんがなりやすい。

対処法は、
朝は太陽光をあびて、朝ごはんをしっかり食べる。、
睡眠2時間前にはデジタルデトックス。
寝る前に、スマホをみると睡眠の質が悪くなる。
適度な運動をして、筋肉を動かすのも大切。
もちろんバランスのよい食事、タンパク質をしっかり摂取。
生活リズムを整えることが一番だけど、これがなかなか難しい。

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パンジーもあと少し。
そろそろ初夏のお庭計画をたてよう。

Posted by さかざきひろみ at 20時18分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年05月07日(日)

保湿剤色々

保湿剤の好みは色々で、患者さんによってご希望されるものが違う。
また、剤型も、軟膏、クリーム、ローション、スプレーなどさまざま。

保湿剤にはその作用から
「エモリエント」と「モイスチャライザー」の2つに分類される。

「エモリエント」
皮脂膜を補強する役割。
すなわち、皮膚表面からの水分蒸発を防ぎ、皮膚を保護する効果は高い。
しかし、実は保湿成分は入っていない。
「プロペト」「白色ワセリン」「亜鉛化軟膏」など。

「モイスチャライザー」
エモリエントに保湿成分が入ったもの。
「ヘパリン類似物質」「ウレパール軟膏」など。
あとセラミドは保湿成分としては効果がかなり高いけど、保険適用のあるものがない。

同じ保湿剤だけど、「エモリエント」と「モイスチャライザー」は、成分や作用機序、使用感などはかなり違う。

なんとなく、保湿成分のはいった「モイスチャライザー」の方が効果が高そうだが、プロペトなどの「エモリエント」の方がよいという方もいる。

実際は本人にあった、使い勝手のよいものをしっかり塗布することが一番大切かと思う。

ちなみに、先日の小児科学会のシンポジウムでは、
アレルギー予防のために、生後1週間以内から、しっかり保湿するのがよいと言われていた。さらに、モイスチャライザーのほうが、皮膚からの水分蒸散量を下げて、しかも乳液タイプのほうが効果が高いとのことであった。

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Posted by さかざきひろみ at 17時27分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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