2023年05月27日(土)
外来状況 [クリニック情報]
5月なのに、インフルエンザの集団感染のニュース。
この暑いのに、季節感が変。
新型コロナが5類になって、マスクを外す人が増え、さらに学校では、運動会、修学旅行などのも通常どおりになったので、その影響もあるかも。
大阪では、それほどでもないと思ってたけど、今週になって、流行している学校もでてきた。
今のところ、すべてインフルエンザA。
新型コロナは今週は1名のみ。
他には、溶連菌感染症がふえてきた。
コロナ禍になって、診ることが減っていたのだが、
これも、コロナ前にもどってきたよう。
さらに麻疹のニュース。
インドへの旅行した30代の麻疹に感染した方が、症状のある時に新幹線のぞみ50号の9号車に乗車。
神戸〜東京間で接触した東京都の30代女性(ワクチン歴なし)と40代男性(ワクチン歴不明)の2人に麻疹が発生。
それ以降は、それほど大きくは広がっていないよう。
麻疹は、新型コロナとは比べものにならないぐらい感染力が強い。しかも、重症化することが多い。
1歳以上のお子さんはワクチンを接種しているが、1歳未満のお子さんにとっては、ほんとに恐ろしいウイルス。
治療法がないので、ワクチン接種を徹底することが大切。
1歳になったら、年長さんになったらできるだけ早くMRワクチンをおすすめしたい。
お庭では、なでしことバラが増生中。
Posted by さかざきひろみ at 19時58分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2023年05月25日(木)
18番 桂枝加朮附湯 [漢方製剤]
けいしかじゅつぶとう。
虚弱な人の風邪の初期に使う㊺桂枝湯に蒼朮と附子が加わった処方。
効能効果は関節痛と神経痛。
附子というのは、トリカブトを減毒したもの。
生薬のなかで、一番体を温める作用がある。
さらに、強力な痛み止めの作用も。
したがって、冷えると関節が痛い。
冷え症があって、神経痛がある。
そんなイメージ。
ちなみに、関節の炎症がつよくて、局所に熱感がある場合は㉘越婢加朮湯。
通常の西洋薬の痛みどめは胃腸障害をおこすことがある。
しかし、漢方薬は、すでに胃腸機能を改善する生薬が入っていることが多い。
Q桂枝加朮附湯も㉘越婢加朮湯も、すでに大棗、生姜、甘草という胃腸機能改善作用のあるものが入っている。
色々な生薬の組み合わせで、効果を倍増、さらに副作用も軽減してくれる。これが漢方薬の利点。
Posted by さかざきひろみ at 19時12分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
2023年05月23日(火)
腸内環境とアレルギー
小児科学会での「アレルギー疾患の予防」のシンポジウムでのお話。
食物アレルギーの患者さんの腸内細菌叢では、酪酸酸性菌が低下している。
酪酸というのは、免疫応答の抑制にかかわっているのだが、これが少ないとアレルギー疾患になりやすい。
幼少時に、微生物との接触が少なく、清潔で綺麗な環境にいると、腸内環境が育たず、アレルギーになりやすい。
(腸内環境は他にもいろんな疾患と関連している)
アレルギーになりにくのは、兄弟が多い、ペットがいる、農村育ち、小さいころから保育園に通園している場合。
また、おしゃぶりの消毒ありとなしで比較すると、おしゃぶりの消毒をしたほうが、腸内環境が育たないのでアレルギーになりやすいとの結果。
他にも、帝王切開や2歳未満の抗生剤使用は腸内環境の乱れがおこる。
では、腸内環境をよくするには、どうしたらよいか。
1)プロバイオティクス(ビオフェルミンなどの乳酸菌製剤)は効果は期待できない。
整腸剤には1億〜10億個の菌数
便1gあたり、1000億個の菌数。
腸内細菌は100兆個ある。
整腸剤100g飲んでも便1gの細菌数なので定着は難しい。
プロバイオティクスの多くは通過菌となって、腸管内に定着しない。
2)プレバイオティクス(オリゴ糖、食物繊維など)は効果が期待できる。
高繊維食のマウスは腸管内の酢酸酸性菌が増加。
日本の健康成人の研究で、機能性大麦(バーリーマックス)の摂取で、腸管内の酪酸酸性菌が増加した。
機能性大麦は、一般的な大麦の2倍の食物繊維が含まれる。
プレバイオティクスを用いて、腸内の酪酸を増加させるとアレルギー予防につながる可能性があるとのこと。
生後3か月の便中酪酸濃度が低いと1歳の時の食物アレルギーが多いとのことだけど、赤ちゃんの腸内環境は、ママに影響されるので、ママの食生活や生活習慣もとても大切だと思う。
Posted by さかざきひろみ at 19時16分 パーマリンク トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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