さかざKIDSブログ

2023年05月23日(火)

腸内環境とアレルギー

小児科学会での「アレルギー疾患の予防」のシンポジウムでのお話。

食物アレルギーの患者さんの腸内細菌叢では、酪酸酸性菌が低下している。
酪酸というのは、免疫応答の抑制にかかわっているのだが、これが少ないとアレルギー疾患になりやすい。

幼少時に、微生物との接触が少なく、清潔で綺麗な環境にいると、腸内環境が育たず、アレルギーになりやすい。
(腸内環境は他にもいろんな疾患と関連している)

アレルギーになりにくのは、兄弟が多い、ペットがいる、農村育ち、小さいころから保育園に通園している場合。

また、おしゃぶりの消毒ありとなしで比較すると、おしゃぶりの消毒をしたほうが、腸内環境が育たないのでアレルギーになりやすいとの結果。

他にも、帝王切開や2歳未満の抗生剤使用は腸内環境の乱れがおこる。

では、腸内環境をよくするには、どうしたらよいか。
1)プロバイオティクス(ビオフェルミンなどの乳酸菌製剤)は効果は期待できない。

整腸剤には1億〜10億個の菌数
便1gあたり、1000億個の菌数。
腸内細菌は100兆個ある。
整腸剤100g飲んでも便1gの細菌数なので定着は難しい。
プロバイオティクスの多くは通過菌となって、腸管内に定着しない。

2)プレバイオティクス(オリゴ糖、食物繊維など)は効果が期待できる。

高繊維食のマウスは腸管内の酢酸酸性菌が増加。
日本の健康成人の研究で、機能性大麦(バーリーマックス)の摂取で、腸管内の酪酸酸性菌が増加した。
機能性大麦は、一般的な大麦の2倍の食物繊維が含まれる。

プレバイオティクスを用いて、腸内の酪酸を増加させるとアレルギー予防につながる可能性があるとのこと。

生後3か月の便中酪酸濃度が低いと1歳の時の食物アレルギーが多いとのことだけど、赤ちゃんの腸内環境は、ママに影響されるので、ママの食生活や生活習慣もとても大切だと思う。

画像(240x320)・拡大画像(480x640)

Posted by さかざきひろみ at 19時16分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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