2023年05月16日(火)
赤ちゃんは顔が好き
小児科学会での「マスクは子どもの発達にどう影響するか」という講演。
講師の山口真美先生は、「赤ちゃんは顔をよむ」の著者。
中央大学文学部心理学研究室教授で乳児の顔認知の発達がご専門。
コロナ禍でマスク生活が3年、
目元しか見たことがない同級生がどのぐらいいるかというアンケートで、
小学生70%、中学生88.9%、高校生86.7%も。
日本人は、表情を目で表現し、それを読み取る。
欧米人は、表情を口で表現し、それを読み取る。
だから、日本人はマスクでも、目がみえていたら、それほど違和感がないとのことで、マスク生活に抵抗がない。
日本の絵文字は、口は横線のままで、眼の形が色々かわる。
一方、欧米の絵文字は目は点々で、口元の形が色々かわる。
また、ノーメイクのとき、日本人はマスクで隠すが、欧米人はサングラスで隠す。
また、実は新生児でも、生まれつき、顔を見る能力がある。
目がふたつ、その下に口があるという顔の配置を好む。
これを「トップヘビーの法則」という。
そして、顔認知の発達は30年も続く。
それで、人は、約4000人もの顔を覚えることができるが、コロナ禍の3年は、家族以外の口元を見る機会が少ない。
それが、今の子どもたちの将来の顔認知にどうかかわってくるのか。
サルの実験で、母サルにマスクをして育ててみると、その赤ちゃんは顔を認知する脳の領域の活動が低下するという結果がでている。
もしかして、顔の識別能力がコロナ禍で育った赤ちゃんたちは低くなるかもしれない。他にもなにか発達に影響があるかもしれない。
まだ比較データなどないが、今後十分に評価する必要があるとのこと。
Posted by さかざきひろみ at 19時16分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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