2022年08月11日(木)

ドンピシャ [漢方薬]

6歳の男の子。
今まで朝までぐっすり寝ていて、おねしょもしなかった。

それが、小学校1年生になってから、急に、おねしょをするように。
それと同時に、夜に寝てから2〜3時間後に急に目が覚めて、パニックになって暴れまわっている。
本人は全く覚えていない。
昼間も多動になって、じっとできなくなったとのこと。
もともと、少食であまり食べないし、偏食もあるらしい。

お子さんは、夜間に熟睡できなくなると、昼間の集中力が欠けて多動傾向になる。
また睡眠の質が悪いと、抗利尿ホルモンがしっかりでなくなるため、すでになかったおねしょになったりする。

この子には、83抑肝散加陳皮半夏を夕方に飲むように処方。
すると、夜間少し起きるけど暴れなくなり、だんだん、夜もぐっすり眠れるようになって、夜尿症もなくなった。

抑肝散の肝というのは、西洋医学の肝臓とは違って、
感情のコントロール、精神安定、自律神経の調節を行うところ。
それが、高ぶっておこる精神症状や怒り、イライラを抑えるという意味で抑肝散という名前になっている。
抑肝散加陳皮半夏というのは、抑肝散タイプで、胃腸が弱い、虚弱体質の人に処方する。
この子は小食かつ偏食であったので、こちらを処方した。

このお子さんは、おそらく小学校入学で環境がかわり、緊張もしてストレスが強くなったのだろう。
その結果、東洋医学でいう肝が高ぶって、眠れない、イライラ、多動などの症状がでたと考える。

華奢で色白の少し虚弱タイプだったので、まさに抑肝散加陳皮半夏がドンピシャだった。

こんなことがあるから漢方薬はやめられない。

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Posted by さかざきひろみ at 19時42分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2022年08月09日(火)

新作 [漢方薬]

新見正則のフローチャートシリーズ。

今回は、ともちゃんの本。
「フローチャート糖尿病漢方薬」

画像(180x240)・拡大画像(480x640)

ともちゃんは、広島で「みなみ内科ライフケアクリニック」を開業されている田村朋子先生。
漢方jpつながりで、知り合って、大阪にも遊びにきてくださった。
めっちゃ可愛くて素敵な先生。

この本は、とっても面白い。
私が糖尿病患者さんを診ることはあまりない。
だけど、この本のなかで、子育てと糖尿病治療の共通点について書かれていた。
「褒めてのばして、やる気にさせて、目標にむかって頑張る姿によりそう」
ほんとにそのとおり。

面白かったフローチャートは、

ストレス食いをやめたい男性
ストレス食いをやめたい太め女性
ストレス食いをやめたい細め女性
疲れて甘いものがほしいときに
疲れたといって運動療法が続かない
歳をとったといって運動療法が続かない

どんな漢方がいいの?と興味がわきますよね。
そんな方は、ぜひとも本をご購入くださいね。

Posted by さかざきひろみ at 19時38分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 2 )

2022年08月07日(日)

検査の時期

クリニックでは、新型コロナの診断は主に抗原検査で行っている。
抗原検査は、鼻腔から採った鼻汁中にウィルスがいるか?いないか?の判断となる。
発症からすぐだと、ウィルス量が少なくて、陽性にならないことが多い。

お子さんの場合は、38度以上の発熱で12時間以上経過したほうがよい。37℃代の微熱で本人が比較的元気だったら、2日経過しないとわからない。

自宅で37.2℃で抗原検査して陰性だからと言って、お婆ちゃんの会いにいって、その後38度の熱がでて、結果陽性というケースもあった。

朝から37.6℃、来院時に37.1℃の場合は、検査して陰性でも確かでないので、できれば翌日受診をおすすめしている。
ずっと37℃代で元気だったら、48時間後のほうがよいかもしれない。

市販で唾液の抗原検査キットというものがある。
コロナウイルスは、鼻の中や咽の奥で増えて、そこから口に広がるので、唾液の中にはウイルスがとても少ない。
唾液でやって陰性と言う方が、受診されて鼻の検査で陽性ということも多い。
小さいお子さんたちは、鼻の検査はめっちゃ嫌がるので、唾液で検査の方が楽だけど、正確ではない。

少し大きなお子さんだったが、鼻の検査を嫌がって、自宅で自分で検査したというケースもあった。
これも、嫌がるお子さんが、自分で鼻に綿棒を突っ込むのはとても難しいかと思う。

PCR検査は鼻腔から採った鼻汁を使うが、これは、
DNAポリメラーゼという酵素を用いて新型コロナのDNAを増やす方法。抗原検査が陰性で、PCR検査陽性ということもある。

では、全員PCR検査したらいいやんと言われるかもしれないが、ちょっと煩雑で、これだけ患者さんが多いと不可能に近い。しかもPCRキットも品薄。外注検査だと楽だけど、結果は2-3日かかってしまう。
ただ、PCR検査もあまりにウィルス量が少ない時期にやってしまうと、「陰性」と出てしまう。

大人の方だが、咽が痛くなって、すぐにPCR検査して陰性で、安心していたら、その後周りの家族全員発症したと言うケースがあった。

無症状だと、抗原検査もPCR検査も陰性になることがほとんどだと思う。しかし、その陰性は、たとえPCR検査であってもその時かぎり。明日も明後日もずっと陰性ということにはならない。

陽性は診断しやすいが、陰性の診断はとても難しい。

Posted by さかざきひろみ at 19時07分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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