2023年06月15日(木)

母には、最期はお着物を着てもらいたくて、どれがいいか実家で探していた。
着物は、母が倒れる2カ月前に染め直してもらっていたもの。
きっと、それを着てお茶会に行く予定があったに違いない。

帯は、私が娘の卒業式に貸してもらった帯がよいと思った。
母は、「この帯はすごい由緒のあるもの」ということを私に自慢していた。

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この写真は娘の卒業式のときのもの。
このとき、娘は着付けしてもらったけど、
母は自分で着て、私は母に着せてもらった。
そういえば、私が成人式のときも母に着せてもらった。


この帯を実家で必死に探した。
だけど、着物のお部屋にその帯はなかった。
別のたんすやらクローゼットを探したけどない。

結局たくさんの帯のなかから、この3つを選んで、薄緑のお花の帯にした。

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ところが、先日来客があったときに、お座敷のお座布団をだそうとしたら、その下に、帯があった。

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妹にその話をしたら、
「ばあちゃん、この帯は姉ちゃんに持っておいて欲しかったんやわ。
焼かれるのは嫌やったんやと思う。
姉ちゃん、持って帰りや」

不思議だけど、座布団の下に入れてたなんてほんとに不思議。
しわを伸ばすためとかに置いてたのかもしれない。
だけど、妹が言うように、私にもっておいて欲しかったのかも。
私も妹も、着物を着ないので、すべて処分するつもりだった。
だけど、この帯は大切に持っておきたい。
あらためて、見るとほんとに素敵な帯。
ばあちゃん、ありがとう。

Posted by さかざきひろみ at 19時19分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年06月13日(火)

20番 防己黄耆湯 [漢方製剤]

ぼういおうぎとう。

肥満のくすりとして有名。
防己黄耆湯は水太り、
防風通聖散は脂肪太り。

胃腸機能が弱く、食べても体で処理できずに余るため肥満となってしまう。
それで、胃腸機能を元気にして、余分な水を排出。
その結果、身体をひきしめ、水太りやむくみを改善することができるお薬。

イメージとして、色白でぽっちゃりタイプ。
とっても汗っかきで、疲れやすいタイプ。
そんな感じの方の不調に効く。

小児科領域では、あまり出番がない。

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黄耆+防已はむくみに有効。
皮膚にしまりがないため、汗がもれでるのを防ぐ作用。
蒼朮は、五苓散にも含まれていて、利水作用。
大棗+生姜+甘草は胃腸機能改善の組み合わせ。

変形性膝関節症の患者さんで、膝に水がたまって、腫れている感じのときによく処方される。

ただ実際は、防己黄耆湯だけでは関節炎にはいまいちで、㉘越婢加朮湯をすこし加えたほうが効果的。

保険適応病名は、以下のとおり。
色白で筋肉が柔らかく水ぶとりの体質で疲れやすく、
汗が多く、尿量が少なく、下肢に浮腫をきたし、膝関節の腫痛するものの次の諸症:
腎炎、ネフローゼ、妊娠腎、陰嚢水腫、肥満症、関節炎、せつ、よう、筋炎、浮腫、皮膚病、多汗症、月経不順。

Posted by さかざきひろみ at 19時19分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年06月11日(日)

1週間

母がいなくなって、あっという間に1週間。

母のことは、ずっと前にあきらめていたはずだった。
急に、慌てないように、私が行けないことも考えて、あらかじめ葬儀のことはすべて決めていた。
遺影に使うお写真も、作ってもらっていた。

妹は、1日でも長く生きていてほしいといっていたが、
私はもう寿命だから、これ以上は仕方がないと考えていた。
母がほんとにいなくなっても、それほど悲しまないとも思っていた。

最初は、喪主でもあり、しっかりしないといけないと気持ちではりつめていた。

だが、葬儀が終わった後の喪失感は何なんだろう。
父とは全然違う。ふとした時に、胸が苦しい。

毎朝、出勤前に実家にいって、母に手をあわせる。
母が「頑張りなさい」と言ってくれる。
なぜ、生前にもっとたくさん会いにいってあげなかったのか、とても悔やまれる。

火曜日は、なかなか診療の準備がすすまなかった。
やらなくてはいけない仕事が思い出せない。
いろんなことがわずらわしくなる。
しばらく休んだほうがいいのだろうかとも思った。

だけど、実際外来が始まると、お子さんたちに癒される。
悲しみから現実に引き戻してくれた。

やっと、学会のこと、講演のこと、原稿のことなども考えられるようになった。

そんな時、夜中に、のどの痛みが強くて目がさめた。
こんなことは、初めてだった。
葬儀のとき、娘と孫が風邪のなおりかけだったので、
一緒に食事したりして、それがうつったのだろう。

夜中にあわてて、109番を内服。
その後、鼻つまりが苦しくて28番も内服。
鼻水もだらだらでてきたので、19番も。
念のため、何度かコロナの検査をしたが陰性。
もしかして、咳がひどくなったら困ると思っていたが、それにはいたらなかったよう。

気持ちがゆるむと風邪のウイルスにまでつけこまれる。

母は、小児科医としての私を認めてくれていた。
両親ともに、私が医師になったのをとても喜んでくれた。
いつも、いっぱい応援してくれた。

いつまでも、ふわふわしていてはいけない。
きっと、時間が少しずつ解決してくれる。

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Posted by さかざきひろみ at 19時41分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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