2023年06月27日(火)

22番 消風散 [漢方製剤]

しょうふうさん。

風(ふう)を消すという意味。
風というのは、乾燥やかゆみを引き起こす漢方医学の外邪(ガイジャ:発病誘因)のこと。

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構成生薬が多く、漢字が難しすぎる。

簡単にいうと、かゆみが強くて、分泌物が多く、かさぶたになっている。さらに夏に湿疹が悪化する人に効きやすい。
ちなみに冬に悪化するのは57温清飲(うんせいいん)

荊芥(けいがい)+防風(ぼうふう)は皮膚の病変を取り除く作用。D十味敗毒湯にも含まれる。
蝉退(せんたい)はせみのぬけがらで、かゆみをとめる作用がある。

とにかく抗炎症作用があって、皮膚の炎症をとる生薬がたくさん含まれる。また、皮膚の炎症が強いと、血流が悪くなるので、当帰、地黄などの血虚の薬も含まれる。

この薬もとってもまずい。
さらに、漢方薬だけでは湿疹は治らない。
ステロイド軟膏を適切に塗布することが必要。

苦い薬も平気ということであれば、ステロイドと併用すると効果的かも。
だけど、小児ではなかなか出番がない薬。

Posted by さかざきひろみ at 19時01分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年06月25日(日)

たくさん

母がなくなって、もう3週間。
今日は、スタッフたちがお参りにきてくれた。
お焼香セットもあるのだが、使い方がよくわからず。
ごめんなさい。
それでも、にぎやかなのが好きだった母は、きっと喜んでいる。
ありがとう。

そして、母のことが落ち着いてから雑誌の原稿や講演依頼がたくさん。

原稿は2つ
漢方と最新治療 
特集「子どもの心と漢方」子どもと家族に伝える漢方薬
 これは何書こうかな?
 テーマは心だから、子どもには小建中湯、甘麦大棗湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏。
 家族には、加味逍遙散、加味帰脾湯、半夏厚朴湯、補中益気湯ぐらいか。

調剤と情報
漢方の疑問解決スペシャル
子どもに処方された漢方薬をのんでもらうアイディア

そして、講演は以前からあったのとあわせて7つ。
7/8(土)東京にて子どものこころ研修会「母と子の心に寄り添う漢方薬」
翌日7/9の小児漢方懇話会フォーラムは裏方の1日。これが一番大変かも....。

9/10(日)横浜にて外来小児科学会で「楽しく学ぼう!こども漢方入門」
10/7(土)神戸にて兵庫県保険医協会
10/15(日)金沢で、タイトルは未定
10/28(土)WEBにて川西市東洋医学医会
11/2(木)東京にて新見先生&千福先生とのコラボ
1/28(日)大津にて滋賀県小児科医会

まずは7/8が終わってから次考えよう。
7−8月で、10月の分は一気に構想を練ろう。
何でも早めに準備するのにこしたことはない。
色々お話をいただくのはとても光栄なことだと思う。
ばあちゃん、私頑張るね。

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Posted by さかざきひろみ at 18時28分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2023年06月24日(土)

ヘルパンギーナって??

先日、「保育園から、流行しているのでアデノウイルスとヘルパンギーナの検査をしてきてくださいと言われたのですが。」というママがいた。

アデノウイルスの検査はあるが、ヘルパンギーナの検査などはない。夏風邪のひとつで、突然の高熱と、のどの奥に水泡があれば診断できる。今、全国的にヘルパンギーナが流行しているのだけど、園の先生もいまいちよく知らないのかな。

そこで、ヘルパンギーナよくある質問

そもそも「ヘルパンギーナ」と言う名前の由来は、ドイツ語からきている。ヘルプはヘルペス(水泡)という意味で、アンギーナの語源は、「のどの炎症」という意味で、日本語訳だと水泡性咽頭炎。

@うつりますか?
   飛沫感染で、潜伏期が3−5日でうつる病気。
A原因は?
 コクサッキーウイルスやエコーウイルスなどで何種類でもあるので、何回でもかかる。
同じウイルスで手足口病になるケースもあるし、のどに水泡ができずに、高熱だけのケースもある。
B症状は?
  突然の高熱とのどの水疱。
  熱のではじめに嘔吐することもある。
  お熱は2-3日で下がるが、のどがとっても痛いのが問題。

Cでは、何を食べさせたら?
 噛まずに飲み込めるもの、ゼリー、プリン、アイス、とうふ、冷めたおじやなど。水分もごくごく飲むのは痛いので、スプーンで少しずつ。オレンジジュースはしみるよう。牛乳やカルピスウオーター麦茶などが飲めたというお子さんが多い。
全く食べれないときは、お茶や水でなくて、経口補水液にしてね。
D治療法は?
 ウイルス感染なので、有効なお薬はない。口が痛くて、水分も全く飲めないときは脱水になるので、点滴加療が必要。漢方が飲める場合は、高熱の時は麻黄湯、のどが痛すぎるときは、桔梗湯や桔梗石膏などを処方。
E登園はいつから?
 症状があるときだけ感染力があるのではなく、元気になってものどや便から2-3週間ウイルスを排泄。罹っても症状がでないお子さんもいる。したがって、お熱が下がって、咽の痛みもなく食欲が回復したら登園可能。
しかし、のどが痛くて、いつもどおり食べられない時は、熱がなくても、お休みしてね。
F合併症は?
 大抵のお子さんは夏風邪で2−3日で軽快する。だけど、ごくまれに、ウイルス性髄膜炎や急性心筋炎をおこすことがある。高熱が長引く、嘔吐がひどい、頭痛がひどいなどあれば要注意。

 以前勤務医のころ、ヘルパンギーナのあとに急性心筋炎になった5歳の男の子がいた。
とにかく、頭痛、嘔吐がひどく、2−3時間後には呼吸困難となり吐血した。総合病院に緊急搬送して、その子はECMOにて救命でき、後遺症なく軽快した。
もう、20年以上も前の話。

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Posted by さかざきひろみ at 20時13分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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