2022年08月20日(土)
出荷制限
今度のターゲットはアセトアミノフェン。
ちょっと前から、メディアなどで言われていたが普通に処方できていたので、あまり気にしなかった。
ところが、昨日突然、薬局の方から
「先生、もうアセトアミノフェン500mg錠剤の在庫がないので、別のものに変更できますか」とのこと。「もう少し前から言ってくれてたら、もうちょっと加減していたのに」と思いつつ、ないもんは仕方ない。
全くないのは、カロナール500mg錠。
50kg以上のお子さんや、大人にも使うので使用頻度が高い。
代替え品として、15歳以上の大人にはロキソニン。
50kg以上で15歳未満のお子さんには、アセトアミノフェン原末500mg(粉)または、ブルフェン錠剤。
このアセトアミノフェン原末が結構苦い。
小児用のドライシロップもあるが、これは小さいお子さんたち用に取っておきたい。
アセトアミノフェン200mg錠剤も、アセトアミノフェンドライシロップ、アルピニー坐薬50mg、100mg、200mgは、9月まで納品がないので大切に使わなくてはいけない。
熱がでたら、必ず解熱剤を使わないといけないということはない。お子さんは熱に強く、39℃でも元気いっぱいのことも多い。機嫌よく元気なら、高熱でも解熱剤はいらない。
よく
「何度になったら解熱剤を使ったらよいですか?」と質問される。
そもそもなぜ熱がでるのか?
お子さんの発熱のほとんどが、体の中にウイルスや細菌などの病原体が入り、その病原体をやっつけるためにでている。
病原体は熱に弱くて、また体温があがると体の免疫力もあがる。実は熱は悪者ではなくて、大切な体の防衛反応。
だから、無理に解熱剤で熱を下げてしまうと、その間、病原体の勢いが強くなり、かえって病気の治りが遅くなるおそれがある。
また解熱剤は一時しのぎで効果がきれるとまた熱が上昇し、体温をあげようとする体の防衛反応の方が強いときは解熱剤を使っても効果は見られない。
解熱剤を使わなくても病気はちゃんと治る。
ただ、絶対解熱剤を使ってはいけないということでもなく、高熱のせいで夜間ぐずって眠れないときなどは使ってあげても大丈夫。
また、「高熱で頭がおかしくならないでしょうか?」と質問されることも多い。
子どもはすぐに40度ぐらいの高熱になるけれど、それで脳がやられるということはない。
ちなみに、43度以上になると脳がダメージをうけると言われているが、高温の車内に放置するなどの特殊な状況でなければそんなことにはならない。
お熱がでると、とっても心配だけど、熱は怖いものではなく、実は体の味方。

Posted by さかざきひろみ at 19時35分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 2 )
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コメント
なんと、もう16年近く好き勝手なことをアップしていますが、そういって頂けて嬉しく思います。ありがとうございます。
いつもブログ拝見させて頂いてます。
大切な情報を先生が発信してくださるのでいつも安心しています。
来院した際、あまり時間がなくお伝えできなかったですが
本当にブログに救われています。
これからも更新宜しくお願いします(^^)