2023年02月07日(火)
6番十味敗毒湯 [漢方製剤]
じゅうみはいどくとうと読む。
10種類の構成生薬からなるので十味といい、皮膚の化膿の毒を敗退させるという意味で敗毒という。
なんか、いかにも効きそうなネーミング。
これは江戸時代に華岡青洲先生が考えたものを、後に浅田宗伯先生がアレンジしてできたもの。
日本人がつくった日本人向けのお薬。
桔梗、柴胡など有名なものも含まれるが、樸樕(ぼくそく)とか独活(どっかつ)とかは珍しい。
ちなみに、樸樕が入っているものは89治打撲一方。
独活は他にはない。
荊芥(けいがい)に、非常に強いアクアポリン 3 の発現亢進作用があって、肌にうるおいを与える。
荊芥+防風は発汗して体の表面の熱を追い出す。
柴胡はその下にこもった熱を下げるイメージ
化膿傾向のある湿疹に有効で皮膚科向けのお薬。
これも錠剤がある。
大きなお子さんたちは錠剤を希望されるので、ニキビによく処方している。
化膿といえば122排膿散乃湯もあるが、炎症がより強く、範囲が広く、浸出液が多いものには122番の方がよいと思う。また、122番は構成生薬が6個で少ないので、即効性もある。
あとメーカーで違いがある。
ツムラさんは樸樕だが、クラシエさんは代わりに桜皮(オウヒ)。
樸樕がクヌギの樹皮なのに対し、桜皮はヤマザクラの樹皮。
どちらも解毒作用に優れ、湿疹やじんましんの治療に使われる。
ただ、美容皮膚科の先生たちがこの桜皮に注目している。
桜皮はエストロゲン分泌作用があり、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸も増加させ、ニキビの発生やニキビ跡・毛穴の開きなどの悩みも改善するそう。
特に女性にニキビにとても有効とのこと。
そういえば、悩めるニキビに錠剤の十味敗毒湯を飲んでいる女子が多い。
Posted by さかざきひろみ at 17時46分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
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